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泉美木蘭
2018.10.4 22:24メディア

雑誌や新聞は「プラットフォーム」じゃない。

今朝、モーニングクロスで「新潮45」の話をしていたら、
雑誌は「プラットフォーム」の一つなんだから、ダメなら
潰して、また新しい雑誌を作ればいいじゃないかという
意見があると聞いた。

それってまったく腑に落ちない…。
この深刻な出版不況の時代にそんなに簡単に雑誌を作って
売れるわけ
がないと思うし、
だいたい、「プラットフォーム」というのは、
『Yahoo! JAPAN』 とか『Facebook』とか『BLOGOS』とか、
よそから「コンテンツ」の提供を受けたりして、それらを
使って
人を集めて収入を得ているウェブサービスのことを
あらわす言葉だ。

「プラットフォーム」では、一本の原稿に対して、
雑誌や新聞や書籍の出版社のように、企画、編集、執筆、校閲、
文字校正、デザインなどプロの職能を持つ人々の手が入らない。
だから、フェイクニュースが蔓延しても、その責任の所在が
まったく明らかにならなかったり、
二束三文の素人ライターが書いた記事が、さも「オフィシャル」な
もののようになって流れたり、

新聞では一面見出しになっている国際問題があるのに、
ネットニュースではのん気にネコのもふもふ動画だけが見られて
いたり、破滅的な状態になってしまうのだ。

出版媒体と「プラットフォーム」を混同するなんて、あまりに
物事を軽薄に考えすぎているし、
そういう感性こそ、「売れればなんでもいいじゃん」という
無責任な舵取りにつながっていると思う。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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